はじめてコーチング講座に参加して
はじめに
12月9日から通っている「Deep Coaching -共感コーチング6週間講座」というコーチング講座の初回感想レポートです。Deep Coachingとは、CNVC認定トレーナーのマーサ・ラスレー氏による「NVC(非暴力コミュニケーション)の学びを統合した深いつながりの質をもたらすコーチング」のことです。
- はじめに
- 対象読者
- 概要
- 「聴く」という日常的な行為に目を向け、光をあてることの新鮮さ
- いかに私が無意識に自分にフォーカスして聴いているか
- コーチングにおいて自分自身にフォーカスすることの重要性
- 重要なことは「意識」して聴くこと
- 自分の言葉のインパクトに注目する
- (おまけ)アジャイルコーチングと一般的なコーチングのちがい
- おわりに
NVC(共感コミュニケーション)のもたらす、共感の深いつながりの質。そして、コーチングのもたらす、気づきをうながし明確さをもたらす力。それらを統合することで、NVC・そしてコーチングそれぞれの質が劇的に深化する—。
海外のNVCトレーナーの多くがインスピレーションを受けているプログラム「Coaching For Transformation」をベースとしたこの講座では、NVCの精神性を踏まえつつ、コーチングという新たなエッセンスを深める実践的かつ体感的な学びを提供します。
対象読者
はじめてコーチングを学んだ際の感想を新鮮なままお伝えしたいです。
これからコーチングを学ぼうとされる方やスクラムマスターやアジャイルコーチ、マネージャーの方々も読んでいただけるとうれしいです。
概要
今回は「聴く(リスニング)」を中心に、必要に応じて講師や受講者がコーチやクライアント役を演じながらコーチングの練習をしました。具体的におこなったことは以下です。
ちなみに3つのレベルとは以下のことです。
- 自分自身にフォーカスした聴き方(Self-focused listening)
- クライアントにフォーカスした聴き方(Client-focused listening)
- 変容にフォーカスした聴き方(Transformation-focused listening)
これまでもNVCワークショップでディープリスニングを体験したのですが、3つのレベルを意識しながら聴くことで、これほど意識的に「聴く」ということを体験したのははじめてでした。
「聴く」という日常的な行為に目を向け、光をあてることの新鮮さ
今回の演習ではふだん無意識にしていた「聴く」という行為を、相手の言葉やニュアンスやエネルギーを、また、自分自身に生まれる反応をひとつひとつ味わいながら行いました。その結果、世界にあらたな光があたり、目の前にあったけど見えなかったものが浮かびあがるような感覚を覚えました。
いかに私が無意識に自分にフォーカスして聴いているか
そしていかに私が自分にフォーカスして他者の話を聴いているか(=つまり、他者の話を聴いていないか)に気づかされました。今回の演習ではたまたま相手が、私もとても強い関心があることを話していたため、その際「わかる!」「自分のエピソードも話したい!」という感情で心が埋めつくされるのをはっきり自覚することができました。
コーチングにおいて自分自身にフォーカスすることの重要性
ちなみにコーチングにおいて自分にフォーカスしながら聴くことが悪いように誤解されせてしまったかもしれませんが、自分にフォーカスすることは悪いことではなく、むしろ大切なことだと考えています。短い演習でも、自分自身に生まれた素直な感想(e.g. さっき声が大きくなりましたが、ここは大切ではないでしょうか?)や浮かんだメタファーを伝えることは相手にとっても役に立つことが多いと実感することができました。
重要なことは「意識」して聴くこと
前項で自分にフォーカスしながら聴くことは悪いことではない、と書きましたが、ではコーチングにとってよくない聞き方は「無意識」に聴いてしまうことだと感じました。コーチングにおいて重要なのは「意識」して聴くこと。さらに、自分自身、クライアント、変容に同時にフォーカスできたり、フォーカス対象を素早く切り替えたりできることが必要になってくるのだと考えています。
自分の言葉のインパクトに注目する
私はつい、本業でもプライベートでも的確な言葉や質問を投げかけたいと思ってしまい、的外れという反応を相手が示すと凹んだり動揺してしまいがちですが、コーチングで重要なのは自分の言葉が相手にどのようなインパクトを与えるかを観察することと教わったのはとても新鮮でした。正解を探す、のではなくそれが正しかろうが間違っていようが、自分の言葉が相手にどのようなインパクトを与えたかどうかを観察して、それをもとにコミュニケーションを続けていく。こちらが間違ったことを話してしまっても、それが相手が正しさを発見する手掛かりになればそれで良いのです。(とわかっていても難しい.....)
(おまけ)アジャイルコーチングと一般的なコーチングのちがい
今読書会で読んでいる『Coaching Agile Teams』でも個人の可能性を追求することはアジャイルチームの目的を覆い隠してしまうため、一般的なコーチングの意図をアジャイルコーチングに全て持ち込むことはないという旨の記述があります。
これは私もよくわかります。個人の可能性を追求する個人へのコーチングと、常にカイゼンし良いプロダクトを届けることを追求するアジャイルチームへのコーチングは同じ「コーチング」でもかなり毛色が異なる活動と言えます。
...ただし、全く無関係かといえばそうではないと思います。こちらについては時間があるときに別途考察します。
- 作者:Lyssa Adkins
- 出版社/メーカー: Addison-Wesley Professional
- 発売日: 2010/05/18
- メディア: ペーパーバック
we don’t bring the full intent of work/life coaching to agile teams because pursuing each person’s individual agenda would overshadow the purpose of an agile team