アジャイルコーチの備忘録

3歩歩いたら忘れるニワトリアジャイルコーチの備忘録。書評、活動記録など...

『アジャイルな見積りと計画づくり』を代わりに読む(イントロ)

今週からアジャイルの名著、『アジャイルな見積りと計画づくり』についてちびちびとまとめてたり感想を書いていきたいと思います、

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

はじめに、なぜこの本を選んだのか

「計画することがすべてだ。立てた計画はどうでもいい。」
ーー陸軍元帥 ヘルムート・グラフ・フォン・モルトケ

この名言から始まる本書は(語り口が優しいけれど)難解な、かつ、大変な名著である。

本書は難しいのは、かつて自分が習ってきた「計画」という言葉の意味や目的を、どんどんアジャイルの思想に沿って再定義していくためだ。
まるで哲学のようにある概念に対して新たな定義の上に新たな定義が重ねられ、ハイスピードで思考が進められる。そのため、読者は注意しないと(気がつかないうちに)すぐに本から投げ出されることになる。著者の語り口は抑制が効き、記述は丁寧だ。しかし、そんな穏やかな外観に騙されてはいけない。この本は自分が知っているアジャイル関連書籍の中でも1、2位を争う獰猛でスリリングな本である。

本書が名著なのは、Amazonのレビューの言葉を借りればここにアジャイルの「真髄」があるからだ。
「見積り」と「計画づくり」はアジャイルの主要なテーマ、たとえば顧客満足や自己組織的なチームビルディングに比べると、大切だけど一見地味なテーマに思えていた。
それでも本書を読み通せば、「見積り」と「計画づくり」についてアジャイル流の定義を心から理解し実践することがまさにアジャイルの思想を体得するため一番大切なこととわかる。さらにいえば「見積り」と「計画づくり」を理解することが、顧客満足や自己組織的なチームビルディングを達成するための王道であり近道なのだ。

......というのがこの本を最初に読んだ印象である。

エラそうに書いたけど、まだまだ自分自身、「見積り」と「計画づくり」についてアジャイル流の定義を「心から理解しても」いないし、「実践」も出来ていない。けど、アジャイルコーチを名乗ってしまったのだ。自分自身アジャイルについて本当に理解するために、この本についてまとめていく。