自分がNVC(非暴力コミュニケーション)にハマった理由(SINCE 2019/9/15)
ここ2週間ほどNVC、NVCと騒いでいますが、NVCとは何かを伝えず騒いでいるだけではさみしいだけと気づいたので、NVCとは何かとハマった理由をまとめたいと思います。
きっかけ
NVC(本書)を知ったきっかけは、Facebookで同業者の何人かが本書をシェアしていたことです。
何とはなしに「これは良さそうかも」と思って注文したのがきっかけでした。
その後、2週間前の奥志賀高原旅行で、一日かけ霧雨しぶるツリーハウスで寒さにふるえながら読みました。
読み終わったときは、雷に打たれ、違う人間になったような気がしました。
NVCとはなにか
NVC JapanのホームページにNVCのとても分かりやすい説明があったので、引用します。
NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)とは、コミュニケーションにおいて相手とのつながりを持ち続けながら、お互いのニーズが満たされることを目指して話し合いを続けていくという、共感を持って臨むコミュニケーションの方法です。
カール・ロジャ-ス博士の弟子のマーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系付けられました。
頭(思考)で判断・批判・分析・取引などするかわりに、自分自身と相手の心(ハート)の声に耳を傾けて、今の感情(Feeling)・ニーズ(Needs)を明確にしていくことで、お互いの誤解や偏見からではなく、心からつながりながら共感を伴ってコミュニケーションをすることを主眼にします。
具体的には、「観察(Observation)」「感情(Feeling)」「ニーズ(Need)」「リクエスト(Request)」の4要素に注目しながら、コミュニケーションで起こっている問題・ズレを整理していくという方法をとります。
本書を読んで痛感したことは、自分は「観察、感情(心)」よりも「判断、批判、分析(思考)」を重視していたこと。
まさに自分は本書で言うところの「暴力的」なコミュニケーションをしがちな人間だったと思います。
暴力的なコミュニケーションをしていた自分
1.「観察、感情(心)」よりも「判断、批判、分析(思考)」を重視
自分はいつからか、周りの影響か、教育か、エンジニアという職業柄かわかりませんが、人間関係においてあまり感情的になってはならない、論理的でなくてはいけないと思うようになっていました。
そしていつの間にか「正しい/正しくない」と自分と他人を判断するようになっていました。
「自分は正しい」
「彼の言っていることはあんまり良くない」
「自分は間違っていたなぁ」
めったに口には出さないものの、意識では自他を絶えず判断していました。
2. 感情を押し殺しているはずなのに、キレやすい自分
「感情的になっていけない」と強く思っているのに、3ヵ月または6ヵ月に一回くらい、家族や同僚に声を荒げてしまう自分がいました。
人間関係も落ち着き、仕事も落ち着いてきたはずなのに、充実してる(はずな)のに...
こんなに怒っていたのか、
こんなにいらだってきたのか、
こんなに我慢してきたのか、
と気づく日々、
...苦しくないはずはありません。
NVCと出会った今「判断や批判」することも、「感情を押し殺す」ことも相手と自分を苦しめる考え方だったと気づきます。
暴力的なコミュニケーションとは、相手に対する暴力であると同じくらい、自分への暴力であります。
1. 「感情」を重視すること
自分が出会ってきたコミュニケーション手法は、感情よりも、相手に対して頭で考え、判断し、分析し、戦略をたてるようなものが多かったと思います。
一方、NVCは感情をとても大切にしていることがとても新鮮でした。
NVCはコミュニケーションにおいて感情を表現することの重要性と、表現しないことによる重い代償について語ります。
NVCは教えます、どんな感情の裏にも大切な価値観やニーズが込められていると。
今では感情に目を向けることが楽しいです。
とりわけ目を逸らしていた「怒り」に自分の大切にしたい価値観が浮かび上がってくると感じ、注意深く目をむけています。
2. 十分に納得できるほど、体系的である
人間関係に悩み、「傾聴」「HRT(謙虚、尊敬、信頼)」、「嫌われる勇気」などのさまざまなコミュニケーション手法をつまみ食いしてきた自分には、本書の体系だった論理性は驚異的でした。
というのも、学んださまざまなコミュニケーション手法には素晴らしい面がある一方、すぐに根本的なギモンも浮かんできたからです。
- 「傾聴」、素晴らしい! ...でも、つまらない話を傾聴している時間は苦痛です。
- 「HRT」、素晴らしい! ...でも、尊敬できない相手も尊敬しなくてはいけないのか?
- 「嫌われる勇気」、素晴らしい! ...でも、本当に嫌われては社会で生きていないのでは?
- 「wevox values card」、素晴らしい! ...でも、お互いの価値観がわかった後、具体的にどうすればよいのか?
しかし、NVCはコミュニケーションについて自分が知っている手法の中では最も包括的に体系づけられており、根本的なギモンが浮かぶどころか、上記のギモンにも応えてくれました。
NVCにも細かい疑問は浮かびますが、おおむね納得できました。
とにかく「とてもよくできている」のです!
3. 実践したくなる
会話例や実践例が詰まっているため、すぐに実践したくなるのも本書の特徴です。
(とりわけ自分が気に入ったのは、世界の紛争などのテーマがある一方、娘との関係といった身近な問題もふんだんに出てくること)
実際、日本でもワークショップが豊富にあり、自分もちょこちょこ顔を出しています。
以下のNVC Japanのホームページに「全国のNVC勉強会・練習会情報」が載っているので、興味のある方はぜひ覗いてみてください!
さいごに
いかがでしたでしょうか、NVCがどんなものかがうっすらとでも伝われば幸いです。
自分と同じように悩んでいる方や、人間関係に悩んでいる方はぜひ本書を手に取ってみてはいかがでしょうか!
- 作者: マーシャル・B・ローゼンバーグ,安納献,小川敏子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2018/02/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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