アジャイルコーチの備忘録

3歩歩いたら忘れるニワトリアジャイルコーチの備忘録。書評、活動記録など...

そして父になる......!?

6月5日、第一子が生まれた。

妻は42歳で、僕は36歳だった。

結婚した時点で妻が38歳。
僕を含め、家族の誰もが、子供を授かれることを期待していなかった。

「子供が欲しいか?」と聞かれると、正直あまり深く考えていなかった。
ただ、妻が子供を望んでいたので、僕も欲しいと答えていた。
どのみち、何もイメージができていなかったのです。生まれたその瞬間、ではなく、里帰り出産から妻が帰ってきた7月までは。

ただ、漠然した予感がずっと心の中に鳴り響いていた。

「僕が未成熟なのに、夫婦だけでも手一杯なのに、子育てできるのか?」
「このご時世に子供を産んで、子供を幸せにできるのか?」

この予感は、思いの外、すぐ的中することになる。

今回はこの予感がどう的中し、現在、どう立ち直りつつあるかという事を男性側の視点から書いてゆきたい。

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崩壊の4ステップ

  1. 削られる体力
  2. 削られるメンタル
  3. 低下する仕事のクオリティ
  4. 育児の悩みを相談しづらい男性
1. 削られる体力

まず、正直とても恥ずかしいのですが、共働きにも関わらず、禄に家事をしてこなかったのです。
代わりに毎晩のようにオンライン・アジャイル・コミュニティに参加していた。めっちゃ楽しかった。
ただ、やってきたのは過酷な現実だ。
娘は四六時中、泣き喚いている。
泣き止むには授乳しかない。

流石の僕でもこれは家事をしなければマズい、と気づいた。
そこで慣れないながら、掃除、食事の準備、買物、子供の入浴、ミルクあげ、おむつ替え等をするようになった。
慣れない家事と、育児、そして夜泣きによる睡眠不足で、どんどん体力が削られていった。

2. 削られるメンタル

こちらも情けないのですが、僕は精神的にも妻に完全に依存していた。
具体的にはうまくいかないことや愚痴を逐一妻に吐き出していた。
辛いのは泣いている娘だけじゃない、僕も辛い。
そこで、必死に娘をあやす妻に話しかけてみた。

「ねえねえ、今ちょっと話聞ける?」
「そんな余裕ない! 見てわからない!?」

......当然だ。

そして僕はこう見えてプライドが高く、妻以外にあまり相談できなかった。

3. 低下する仕事のクオリティ

周りの父親はみな子育てをこなしながら、仕事でも易々と成果を挙げているように見える。
また、育児で仕事量が減ったと思われたくなかった。
何しろ少人数のチームだ、周りに迷惑を掛けるのも辛かった。
そこで、バカだったとしか言いようがないけど、普段よりたくさんの仕事を任せて欲しいとチームに掛け合った。
結果、どの仕事も中途半端になり、日に日にクオリティは低下していった。
今までは残業や土日出勤で密かにカバーして何とか取り繕ってきたけど、業務時間外は育児で手一杯だ。今回はその手は使えない。
結果、一人で担当すると宣言したのに、最後にはチームメンバーに様々なサポートをお願いする結果になってしまった。

4. 育児の悩みを相談しづらい男性

「なんでこんなに胸が重苦しいのだろう......」
7月から9月に掛けて、ずっとこんな気分が続いた。
この原因が育児による環境変化と気づいたのは、9月に入ってからだった。
育児に悩む女性の記事やツイートは良く見かけるが、男性の記事はほとんど無い。
そして、隣には、僕より何百倍も苦しむ妻がいる。
「男が弱音を吐いちゃいけない」という風潮に知らず知らずに僕もハマり、相談することすら出来ずにいた。

3ヶ月での気づき

色々と書いてきたが、この3ヶ月で気づいたことを一言でいえば、
「余裕がなければ、育児はできない」
さらにいえば、
「自分が幸せでなければ、人を幸せにできない」
という平凡なことだ。

けれど、皮肉なことに、育児とは参加者の余裕がなくなっていくゲームなのだ。
そんな中で、余裕を確保するために、今取り組んでいることは以下の2点だ。

  1. 周りの人に状況を打ち明け、協力をお願いする
  2. 仕事を効率化する
1. 周りの人に状況を打ち明け、協力をお願いする

どうしようもなくなってから、僕は上司に、同僚に、アジャイル・コミュニティの仲間に、悩みを打ち明けた。
みなさん暖かく、手を差し伸べてくれた。
もちろん、ただ単に仕事を丸投げすることではなく、自分が出来る事を見極め、キッチリやりきることは必要だ。
ただ、今回は上司も同僚も協力をしていただいて、本当にありがたく思っている。
そして、仲間にも本当に助けられた。

2. 仕事を効率化する

そして、余裕を作るために、仕事の効率化を進めたいと思っています。
ここはまだ取り組んでいる最中なので、何か良いアイディアあれば是非教えてください!
僕が10分でも余裕ができれば、その間、娘が抱っこでき、娘にべったりな妻にもわずかに余裕ができる。
結果、こうした方が周りが幸せになる、という事を今は確信している。

最後に「自分が幸せになる」ということについて

様々悩んだ僕がこの3ヶ月で結論したことは、自分が幸せになる、ということは「自分の持っている事を認める」ということに尽きると思った。
よく、水が半分入っているコップを見て「半分も入っている」「半分しか入っていない」というが、そこであくまでも「半分も入ってる、ラッキー!」と言い張るのだ。

  • 水が半分以下になっても、「水が入ってる、ラッキー!」
  • 水が無くなっても、「コップがある、ラッキー!」
  • コップが砕け散っても、「破片が綺麗、ラッキー!」
  • 失敗に成功した!

なので、この先何があっても、心の中で号泣していても「ラッキー!」と言い続けたいと思っています。
娘のために、周りのために、僕自身のために。

今日はバラバラと書いてきました。
拙い経験ですが、父親の方、これからお子さんを出産する方、誰かのお役に立てれば幸いです。
最後までお読み下さり、ありがとうございます!