アジャイルコーチの備忘録

3歩歩いたら忘れるニワトリアジャイルコーチの備忘録。書評、活動記録など...

NVCとManagement3.0と『インサイドヘッド』と私と

今年1月から、NVC(非暴力コミュニケーション/共感的コミュニケーション)の勉強会を企画し、現在は有志が集まり定期的に 『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』の読書会をしています。

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この勉強会の特徴は、エンジニア、アジャイルコーチ、アーキテクトといった自分と近い立場の方から、産業カウンセラー/鍼灸師や占い師さんに至るまで様々なコンテキストの方が参加し、それぞれの専門分野や経験から毎回様々な意見が飛び出すこと。

とはいえ、読書会ではディープなプライベートなことを話しまくっているので、これまで会の参加レポートは書きませんでしたが、個人的に様々な参加者から紹介された知識や理論を毎回忘れてしまうのはあまりに惜しいと思い、そこだけをブログに残していければなーと思い書きました。

今回は、「第4章 感情を見極め、表現する」を取り上げました。

Management 3.0のフィードバックラップ

参加者から、NVCの観察、感情、ニーズ、リクエストの4ステップは、建設的なフィードバックを実施するためのManagement3.0のフィードバックラップというプラクティスに似ているのではという指摘がありました。
確かにめちゃ似ているー!

  • フィードバックラップの5つのルール
  1. コンテキストを伝える
  2. 観察したことを挙げる
  3. 感情を伝える
  4. 価値を説明する
  5. いくつかの提案をする

nuworks.jp
management30.com

『問いかける技術』(エドガー・シャイン)

じつはわたしはビクビクしているんだ。でもそれは、きみたちが黒人だからではない。わたしがビクビクしているのは、ここには誰も知り合いがいないし、きみたちに受け入れてもらいたかったからなんだ」。自分の弱さを打ち明けたことで、生徒の様子ががらりと変わった。彼らはわたしについて次々に質問を始め、自分のことを語り、NVCへの興味を表現しはじめたのだ

マーシャルが都市部のスラム街の生徒たちにNVCを教えたエピソードからの引用です。
この章では自分の感情、とりわけ弱さを表現することの重要性が指摘され「自分の弱さを打ち明けることで、対立を解決できる可能性がある」と書かれていますが、この主張は以前ブログでも取り上げたエドガー・シャインの『問いかける技術』と共通していると感じました。

norihiko-saito-1219.hatenablog.com

TMS理論

今回、感情の身体性について議論しましたが、そんな中、参加者がご紹介くださった理論。
1984年にニューヨーク大学医学部教授のジョン・E・サーノ博士が発表した理論で、(私なりに超要約すると)感情的な「怒り」が血管を収束させた結果、腰痛などの「痛み」を引き起こす、という理論です。

※詳しくは以下を参照してください

www.tms-japan.org

インサイド・ヘッド/脳内ポイズンベリー

まだあまり日本では浸透していませんが、NVCと一緒によく紹介される理論に、「内的家族システム療法(Internal Family Systems Model)」があります。
「人の心は様々なパーツから成り立っていて、そのパーツ同士が家族のように相互に影響しあって、人の心を作っているという前提に基づく心理療法」という私が知っている内的家族システム療法の概要を参加者にお伝えすると、映画の『インサイド・ヘッド』や『脳内ポイズンベリー』に似ているのでは、という意見が出ました。

気になって調べると、『インサイド・ヘッド』のストーリーは内的家族システム療法をベースにしているのではという指摘がいくつかのブログから見つかったので、あながち的外れな連想ではないのかも。
私もまだIFSについては全くわかっていませんが、まだご覧になっていない方は『インサイド・ヘッド』、難しいことを抜きにして超オススメです。
泣けるよ......

インサイド・ヘッド (字幕版)

インサイド・ヘッド (字幕版)

  • 発売日: 2015/09/25
  • メディア: Prime Video

www.kars4kids.org

Maybe that’s because the story line of Inside Out is based on the Internal Family Systems Model (IFS), developed by Dr. Richard Schwartz.

justmind.org

Loosely based on the Internal Family Systems model developed by Dr. Richard Schwartz,